100人の母たちとは?

私たちは、原発のない世界を求めます。
このわが子のために。 となりの子どものために。
世界中のいのちのために。
そして、わたし自身が自分に背を向けずに生きるために。

”100人の母たち” は、フォトグラファー亀山ののこが、2011年3月に起こった福島原発事故を期に、原発の問題、それを支える社会構造の問題を知り、”原発はいりません” という意思を、自らの伝達ツールである写真を通して表明しようと始めた、母親たちとのセッションです。

一人ひとりの母たちは、原発はいらないと、実名のもとに、また愛する我が子と一緒に、意思表示をすることを決めた女性たち。

これからも、いのちを守るものの当然の選択として、発信し続けていきます。

分かち合い、つながって広げていきたい。
逃げずに自分をごまかさずに、想像力を働かせていたい。

私がこの作品たちを撮り始めたのは、311から一ヶ月ちょっとあと、2011年4月の終わりからです。
当時、日々溢れて来る様々な情報、そのわりに隠される一番大事な情報、奇妙な安全キャンペーン。
何かが、一番大切な何かが、見えにくくなってる、何よりも守られるべきものがないがしろにされている、そんな風に感じてました。

私はそれまで原発という問題に目を向けたことがありませんでした。
だけど、調べればすぐに分かりました。
原発がなくても電気は足りるだろうこと。
地震大国に原発があることの不自然さ。
全然安全なんかじゃない。ものすごい危険と背中合わせのリスク。
原料のウランの採掘から原発での作業に至るまで、被ばくなしでは供給出来ない発電方法だったということ。
いつでも、誰かの健康を蝕みながら使っている電気だったということ。
捨て場のない使用済み核燃料が、どんどんどんどん増えて、今もうパンク寸前だということ。
そしてこれらのものは、ずっとずっとずっと、何万年も子どもたちのそのまた子どもたちにもリスクを抱えさせたまま管理していかなければならないものだということ。

どうしてそんな原発があるのか?
考えれば何かが見えて来そうです。

知った以上、私は反対だという思いを表現しないわけにいきませんでした。
その思いを伝えなければ、すべて上っ面の嘘になる。
知ったのに知らない振りをして、その後撮る写真に、どんな輝きがあるだろう。
息子たちに、どう話したらいいだろう。

何より、この子どもたちを守りたい。
この輝く笑顔を泣き顔を、溢れるエネルギーを守ってやりたい。

それはシンプルな実感出来る思いでした。

この思いを写真で伝えよう。

そう思い、母と子の写真を撮り始めました。

子どもといると、どんなお母さんもきらきらと輝く。
皆主役。一人ひとりが大事な存在。
皆の思いはないがしろにされていいものじゃない。
知識がなくたって、「いのちを守りたい!」と声をあげていいんだ!とひしひしと感じました。
これから学んでいけばいい。
皆でつながっていけばいい。
一人じゃない。
そんな思いで撮りました。一組一組の母と子に勇気をもらいながら。

私たちは原発のない世界を望みます。
絶対あきらめない。
いつまでも続けていく。
どんどんつながって、どんどん広がっていく。
きっと数年後には、原発がいらないというのが当たり前の世の中になってる。

私も写真を撮り続けていきます。
これからはパパたちも。男性も女性も年齢も関係なく、思いが添う人なら誰でも。

「100人の母たち」はムーブメントになっていくと思います。
この愛する写真集がそのきっかけになってくれたらと願っています。
あちこちでこの希望の種が芽を出し、育っていくと信じてます。

2012年冬 亀山ののこ